幹細胞治療について stem-cell-therapy

当院は、厚生労働大臣に第二種再生医療の提供計画を届出済みの医療機関です。

計画番号:PB5240004

幹細胞とは

幹細胞は、もともと私たちの体内に存在する細胞です。これらの細胞は、自己複製能力(分裂して増殖する能力)と分化能力(血管、心筋、骨、脂肪などの様々な細胞に変化する能力)を持っています。言い換えれば、幹細胞は分化する前の初期の細胞であり、神経細胞や筋細胞、血液細胞など、多様な細胞に成長することができます。

しかし、幹細胞は年齢とともに減少します。新生児の幹細胞の量を100%とすると、80代ではその量が0.5%以下になると言われています。

幹細胞を活用した新たな治療法

細胞の再生力を利用して、損傷した組織や失われた機能を回復させることを目的とした医療技術です。これまで治療が難しかったケガや病気に対する新たな治療法が開発されて、現在も研究と開発が進められています。

幹細胞は脂肪、骨髄、臍帯、乳歯髄などさまざまな部位に存在しています。以前は骨髄由来の幹細胞が主に用いられていましたが、最近では患者さん自身から採取しやすく、幹細胞の含有量や成長因子、免疫抑制力が高いことから、脂肪由来の幹細胞が多く用いられています。

自家脂肪組織による幹細胞治療

自己脂肪由来幹細胞治療は、自身の身体から脂肪を採取し脂肪細胞から幹細胞を培養し、体内へ投与する「再生医療」の一種です。幹細胞は培養することで多くの増殖因子や成長因子、コラーゲンなどを分泌します。
幹細胞が持つ「自己複製能力(同じ細胞を複製する能力)」と「多文化能力(違う細胞に分化する能力)」の2つの特殊な能力を活かして、培養した幹細胞を体内へ戻すことにより、再生や再建、病気の治療、健康や美容などアンチエイジング効果が期待できます。また、皮膚の若返りや関節症の改善、更年期症状の緩和など、年齢によるエイジング症状にも期待されています。

再生医療を行える医療機関は限られています

再生医療を実施するには、治療項目ごとにその妥当性、安全性、医師の体制、細胞加工管理体制が厳しく審査されます。治療のリスクに応じて第一種、第二種、第三種に分類され、認定再生医療等委員会に治療計画を提出し、厚生労働省から計画番号を取得することで治療の提供が可能となります。

当院では、第二種および第三種の認定を受けています。

このような症状でお悩みの方に

  • 肌荒れ
  • しわ
  • アンチエイジング
  • しみ・くすみ
  • 傷跡の修正
  • アトピー性皮膚炎
  • かぶれ
  • 火傷あと
  • 疲労回復
  • 眼精疲労
  • 老眼
  • 視力低下
  • 肩こり/五十肩
  • 背中のハリ
  • 二日酔い
  • 免疫低下
  • 脱毛症
  • 頻尿
  • 勃起不全(ED)
  • 精力減退
  • 脂質異常
  • 高血糖
  • 不整脈
  • 動脈硬化
  • 関節痛
  • 慢性疼痛
  • 創傷治癒の促進
  • その他

治療の流れ

カウンセリング

患者様のお悩みやご希望をお伺いします。

その後、医師による問診(再生医療の目的、治療内容、安全性など)、患者様の状態について診察をいたします。

カウンセリング予約
血液検査

治療の実施にご同意いたただけましたら、特定のウイルスや細菌に感染していないかを調べるため、血液検査を行います。
検査結果に問題のない方のみ治療を受けていただけます。

脂肪採取(腹部)

局所麻酔を行い、お腹、お尻、両太ももなどから皮下脂肪(脂肪組織)を、カニューレと呼ばれる細い管を使って吸引して採り出します。自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」の培養に必要な脂肪組織量は約10mLですが、吸引する際には、患者さまの体に含まれる油分や⽔分を同時に吸引するため、実際の総吸引量は約20mLになります。この脂肪吸引方法は、これまで美容外科で行われてきた方法と同じです。当クリニックが吸引した皮下脂肪(細胞)は、製造委託先へ送られ、約6週間の細胞培養期間と、約2週間の安全性に関する検査期間を経て当クリニックへ戻ってきます。

培養

自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」の培養~出荷【細胞培養加工施設で実施】

採取した脂肪組織から取り出した自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」を培養します。自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」の培養には、細胞の増殖を助けるためにウシ血清(PMDA再生医療等製品材料適格性確認書を取得した国産細胞培養用ウシ血清)を培地に加えます。細胞培養には、ウシ胎児血清や自己血清を利用する方法も知られていますが、本治療で使用するウシ血清は、ロット差が少なく、自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」の培養を安定して行える事が特徴です。

治療に必要な数まで増殖させた自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」は、患者さまのご希望に合わせて、投与予定日まで液体窒素環境下で凍結保管されます。投与当日に解凍・洗浄され、当クリニックへ届けられます。また、一部の自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」は培養過程で1次凍結保管し、次回以降の投与を行う際には1次保管した自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」を用いて培養を行います。

なお、凍結保管していた自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」は、安全性に問題ないことを医師が確認してから治療に用います。

患者さまの細胞を採取してから投与するまでの間、委託先を含め当クリニックが責任をもって加工・製造・保管・廃棄いたします。

点滴投与

1時間以上の時間をかけてゆっくりと点滴により静脈内投与します。

点滴は塞栓形成の主要因となる凝集塊除去のため、適切なサイズの輸血フィルターを用います。

点滴が終了した後は、1時間程度は塞栓やアレルギー症状等が生じないか当クリニックにて経過観察を行います。

特に問題がなければ、その後ご帰宅いただけます。

アフターフォロー

治療後は経過観察のため、1週間、1か月、3か月及び6か月後にご来院ください。問診や痛みに関する評価方法を用いて、治療の有効性について確認いたします。

注意事項

ダウンタイム脂肪採取部に内出血・紫斑・筋肉痛のような痛みが生じる場合がございます。
又、激しい運動やスポーツ、飲酒、喫煙などは4日~5日~1週間程度はお控え下さい。
副作用

脂肪採取に伴うもの

脂肪採取部の一時的な痛み、皮下出血、感染症が起こる可能性があります。また、薬物(麻酔薬等)に対するアレルギー反応、カニューレの穿刺によって脂肪細胞が静脈内に流入し、塞栓を起こす可能性があります。

自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」の点滴投与に伴うもの

  • 点滴静脈注射後に発熱する場合がありますが、大抵は24時間以内に解熱します。
  • 細胞培養にウシ血清および抗生物質(ペニシリン、ストレプトマイシン)を使用しており、それらに対する異物反応(アレルギー反応等)が起こる可能性があります(頻回の洗浄を行いますが、完全に排除することができないため)。
  • 肺塞栓(注入した細胞による肺血管の閉塞、症状が重いと呼吸困難症状)が起こる可能性があります。
  • 自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」は様々な細胞に分化する能力があります。そのため、腫瘍に分化し、腫瘍を形成する可能性が完全にないとは言えません。
施術を受けられない方
  • 癌と診断され、あるいは治療を受けている方活動性の炎症を有する方(炎症の原因が疼痛部位にある場合は除く)重篤な疾患(心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患、出血傾向、コントロール不良な糖尿病および高血圧症など)を有する方HBV、HCV、HIV及び梅毒に罹患している方(ただし同意が得られた場合は、医師の判断により治療が可能となる場合がございます)妊娠の可能性がある方、あるいは妊娠中、授乳中の方
    治療に使用する薬剤に過敏症の方その他、担当医が不適切と判断した方
治療後の注意点
  • 脂肪採取日は、飲酒をお控えいただき、入浴はシャワー程度にしてください。
  • 自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」を投与した当日は、飲酒をお控えください。
  • 自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」の投与部位は清潔に保つよう心掛けて下さい。
  • 違和感や肺塞栓の兆候が少しでも見られた場合は、直ちに当クリニックにご連絡ください。
  • この他、何らかの不調や気になる症状がみられた時は、遠慮なくお申し出ください。必要に応じて、ご説明または医学的な対応をさせていただきます。また、安全性の情報などが分かった場合は、すぐにお知らせします。

料金表

初回投与
(脂肪組織採取を含む)
1,980,000円(税込)
2回目以降の投与1,680,000円(税込)
自家脂肪組織由来幹細胞「ASC」の凍結保管
(2年目以降)
59,400円/年(税込)

治療をキャンセルされるタイミングによって所定のキャンセル料をお支払いいただきます。

また治療当日のキャンセルは返金できかねますのでご了承ください。

初回投与費用には1年間の細胞保管費用(脂肪組織採取日から1年間)が含まれます。

ご予約・お問い合わせCONTACT

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大阪 幹細胞治療・再生医療 きぬがさクリニック